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スター・トレック
ファーストコンタクト

※以下では『スター・トレック:ファーストコンタクト』のネタバレ要素を含んでいます。閲覧の際はご注意ください

[映画ポスター] スター・トレック ファースト・コンタクト (STAR TREK) [ADV-DS]

―――作品の見どころ―――

『スター・トレック ファーストコンタクト』(以下、「ファーストコンタクト」)の見どころは、連邦最大の敵ボーグピカード艦長の対決だ。ボーグの容赦ない攻撃に、かつてボーグによって改造され、連邦艦隊を壊滅させた過去を持つピカードが徐々に心の平静さを失っていく様はスリリングな物語をさらに盛り上げている。
 その一方、ライカー副長率いる上陸班は、ボーグによる歴史改変を修正するため、ボーグの攻撃にさらされたワープ開発の祖ゼフラム・コクレーン博士のサポートに回る。自分を偉人として崇める未来人たちの姿に困惑する博士と、偉人と思っていた人物がただの酔いどれ老人だったことのギャップに面食らうクルーたちの交流もまた見ものだ。

―――最強の敵ボーグと酔いどれコクレーン―――

 TVシリーズで最強の敵だったボーグの再登場はファンも納得の起用だろう。冒頭の艦隊戦でも次々連邦艦隊を撃破する相変わらずの強さを発揮し、ボーグの強大さを遺憾なく見せつけた。さらにクルーたち次々と同化して徐々に侵蝕していく様は軽いホラーとも言える不気味さで物語に適度な緊迫感を与えた。おそらくファンでなくともボーグの脅威が伝わるうまい演出だった。この辺りは監督したライカーことジョナサン・フレイクスの手腕だろう。

 一方、フレイクス監督はワープ開発の偉人、ゼフラム・コクレーン博士に関して思い切ったキャラクターを作りだした。スター・トレックの歴史の中でも最も偉大な人物の一人であろうコクレーン博士を酔いどれのチンピラ老人(実際は30代だが)として表現したのである。
 結果的にこの判断は良い方向に作用した。コクレーンの飄々としたキャラクターは緊迫感のあるストーリーの中で適度にユーモアを与え全般的にバランスの取れた作品に仕上げることに大きく貢献した。さらに、コクレーンが未来における名声に気おくれして逃げ出すシーンなどは偉人と言われる人物も一人の人間に過ぎないということもうまく表現し、非常に親しみあるキャラクターに仕上げているのは好印象。これまでのキャラクターの魅力を最大限に引き出したボーグと、思い切った解釈で新たなキャラクターを作り上げたコクレーンの対比はファンにとっても新たな発見のある作品だった。

―――総評―――

 「ファーストコンタクト」は純粋な新スター・トレック劇場作品の最初の作品であり、新スター・トレック劇場作品の中では最高傑作であったと言ってよいと思う。
 もちろん、ボーグのことは事前に知っていればなお面白いが、知らなくても十分楽しめる内容だ。ボーグの不気味さももちろんこの作品の魅力だが、コクレーンを中心としたワープエンジン開発のサポートというテーマは“スタートレック(宇宙探検)”的である点も注目したい。
 TVシリーズでも何作か監督を担当したフレイクスの手腕は確かなもので、実によくまとまった物語をテンポ良く展開させている。一見、ピカード達の艦内のクルーと上陸班の目的はまるで異なる方を向いているが、クライマックスでは破たんなく両者を結びつけているのは見事といっていいだろう。

 一つ残念な点を上げるとすれば予告編で前面に押し出されていたボーグとの艦隊戦が冒頭の数分で終わってしまうことだ。また、この艦隊戦は、予算不足のためか連邦艦隊が派手にやられる様はほとんど音声(エンタープライズへの通信という形で)で表現されており、今一つボーグの凶悪さ、強大さを表現するには迫力不足だったことは否めないだろう。
 ただ、『スター・トレック』はただの宇宙戦争ものではないので上記の点は大きなマイナスとはならないと言えるかもしれない。コクレーンの人類初のワープ成功のシーンや、クライマックスのバルカン人とのファーストコンタクトの様子は「これぞスター・トレック!」と言えるような名シーンであり、結局はそれらのシーンで満足できてしまうからだ。

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