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WINN ADAMI

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ウィン・アダミ(カイ・ウィン)

画像 カイ・ウィン
出身 ベイジョー
職業 「ヴェデク(ベイジョーの高僧。~2370)
カイ(ベイジョー宗教界の頂点。2370~2375)
臨時首相(2371)

ウィン・アダミ(カイ・ウィン)

ウィン・アダミ(Winn Adami)。ベイジョーの宗教家。惑星連邦が支援のためディープ・スペース9(以下DS9)に宇宙艦隊を派遣した2369年当時はベイジョーの高僧であるヴェデクの地位にあり、後にベイジョー宗教界の頂点である「カイ(Kai)」の地位についた。そのため「カイ・ウィン」の通称でよく知られている。なお、ベイジョー独立前のカーデシア占領時代にはカーデシアの刑務所に5年間収監されていた。

宗教家であるが権力志向が強く、また、歪んだ理想主義者であったため、しばしばベイジョーの内政やDS9に干渉しベンジャミン・シスコらDS9のスタッフ達を悩ませた。

後にベイジョー宗教の信仰の対象である預言者への信仰のゆらぎを邪悪な生命体パー・レイスに利用され、預言者に背いて最終的にはパー・レイスを復活させるという最大の裏切り行為に走った。

権力の虜預言者とベイジョーに対する裏切り編者補足


【権力の虜】

ウィンはとにもかくにも権力を求めた。それは「古き良きベイジョーの秩序を取り戻す」という理想に基づいているとされるが、実際のところ、権力を手に入れるということは理想を成就させるための手段であったのか、それとも彼女の語った理想は自らの権力に対する欲求を正当化させるための建前でしかなかったのかは彼女自身にしか分からない。

しかし、彼女が権力を求めるうえでとった行動は宗教家としては常軌を逸していたと言っていいだろう。

カイへの道

2369年、先代のカイであるオパカが死亡し、ベイジョー宗教界ではその後継者争いが生じたが、この時ウィンは最有力候補ではなく、最有力候補は人格者で人気もあったヴェデク・バライルだった。

そこでウィンはディープ・スペース9のベイジョー人を扇動し、騒動を起こすことでバライルをおびき出し、自分の支持者であるベイジョー人士官を使ってバライルの暗殺を謀った(DS9』20話「預言者の導き(In the Hands of the Prophets)」)。

さらにベイジョーの暫定政権転覆を企む国粋主義集団サークルが行動を起こすとウィンは暫定政権の閣僚でありながらサークルの大幹部であったジャロ大臣と結び付き、カイ選任選挙の時の支持を取り付けようとした。

しかし、シスコらの働きによってサークルの活動の裏にカーデシアの陰謀があることをが判明すると、ウィンは早々にジャロを見限り、自身とクーデターとの関係を否定した(DS9』21-23話「帰ってきた英雄(パート1-3)(The homecoming /The Circle /TheSiege)」)。

2370年、ライバルのバライルが過去の事件が原因でカイへの立候補を取り下げたことによって、ウィンは念願のカイの地位を手に入れた(DS9』44話「密告者(The Callaborator)」)。

臨時首相となるもシャカールの反乱を招く

2371年、前首相のアプレンが急死したことにより臨時首相に指名された。ウィンはこれ以前にカーデシア連合との和平を実現した実績があり(もっとも実際に和平交渉を進めたのはバライル)、対立候補も出なかったため、当初はウィンが政治と宗教の両方の頂点に立つと思われた。しかし、ウィンは農業政策を巡り元レジスタンスで当時は農業開拓者であったシャカールと対立し、ウィンはシャカール等元レジスタンスの開拓者たちに強硬策を執ったため、結果としてシャカールの反抗を招いた。

シャカールの反抗は内戦に発展するかと思われたが、内戦になることを避けたいシャカールとベイジョー軍は、シャカールが首相選挙に立候補するという奇策でウィンに対抗した。シャカールは軍の支持を受け、民衆の人気も高かったために当選は確実視された。もともと人望に乏しかったウィンは、選挙でシャカールに勝ち目がないと判断して立候補を断念し、シャカールの支持に回ることでなんとか面目を保った(DS9』第70話「シャカールの乱(Shakaar)」)。

権力の虜預言者とベイジョーに対する裏切り編者補足


【預言者とベイジョーに対する裏切り】

政治家としては優れた資質を持っていたウィンだが、宗教家としては致命的な弱点があった。それは信仰の対象である預言者から愛されていないことだった。彼女はカイに登りつめてもなお、一度も預言者の啓示を受けたことがなかったのだ。

もともとベイジョーの独立性を重視するウィンはDS9の存在はあまり快く思っていなかったようだが、DS9に対する悪感情は預言者に選ばれし者であるシスコ司令官に対する嫉妬に近い感情も大きく作用していたかもしれない。ウィンにとって預言者に愛されていないという事実は、彼女の地位が上がるにつれ大きなコンプレックスとなっていった。

その後、ウィンは預言者ではなく、預言者と対立するパー・レイスの啓示を受ける。このことで預言者から完全に見捨てられたと絶望した彼女は預言者への信仰心を断ち切ってパー・レイス復活を望むようになった(DS9』169話「決別の行方(Strange Bedfellows)」)。

ついに彼女はパー・レイスを復活させるが、その凶悪な実態を目の当たりにして翻意し再び封印しようとした。しかし、復活したパー・レイスに敵うはずもなく、直後に炎に焼かれて消滅した(DS9』175,176話「終わりなきはじまり(What You Leave Behind)」)。

権力の虜預言者とベイジョーに対する裏切り編者補足


【編者補足】

カイ・ウィンはDS9に登場する悪役?です。とにかく権力志向が強く、デマゴーグ的なキャラクターでスター・トレックシリーズではかなり特異なキャラクターといえます。前任のカイであるオパカが非常に慈悲深い人徳者だったために余計ウィンの卑俗さや傲慢さが引き立っています。

とはいえ、基本的には信仰に忠実であり、カーデシアの刑務所にいた時は迫害を受けながらも信仰を捨てなかった彼女はいわゆる破戒僧ではなかったことは確かですし、これほど信仰しながら預言者にそっぽを向かれてしまったのでは、絶望してパー・レイスにすがってしまっても仕方ないとも思え、ある程度は同情する余地があるのかもしれません。

結局彼女はパー・レイスに利用された揚句、信じていたパー・レイスに消されてしまうわけですが、それまで多くの人を貶め、煽り、利用してきた彼女の最期がこういう形になったのはまさに皮肉と言えます。

あくなき権力欲を持ち、様々な権謀術数で物語をかきまわした彼女は、視聴者から嫌われたであろうことは想像に難くありませんが、一方で、自身の悪徳ぶりに気付かず、あくまでベイジョーの正義と秩序の体現者として振るまい、そしていつの間にか大きくなりすぎた自分の権力に振り回される彼女の姿は、ある意味では悲劇であり、ただの悪役では収まらない非常に完成度の高いキャラクターであったように思います。

ウィンを演じた俳優

ルイーズ・フレッチャー(Loise Fletcher) (1934~)

権力の虜預言者とベイジョーに対する裏切り編者補足


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